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サマーコテージで過ごす、フィンランドの夏

まるで世界が魔法にかけられたかのように、フィンランドの自然の美しさがほとばしるこの季節が、今年もやってきました。

6月下旬のユハンヌス(夏至祭)は、フィンランドで重要なイベントのひとつで、一年で最も日照時間が長い日。

人々は待ちに待った太陽の光をめいっぱい浴び、最高の季節の到来をお祝いします。

この日、ほとんどのお店は閉まり、多くの人は自然の中にあるサマーコテージで家族と過ごします。

ユハンヌスに限らず、夏休みに家族で所有するコテージやレンタルコテージで過ごすのはとても人気ですが、一体どのようなものなのでしょう。

6月のある週末、ヘルシンキから車で1時間半ほどのところにある、お友達のコテージにお邪魔してきました。

ご両親が購入したというこのコテージに、夏になるとこうして家族やお友達と好きなときに訪れるそう。

到着して車から降りると、森のひんやりと澄み切った空気に迎えられ、自然と深呼吸をしたくなる気持ちよさです。

空に向かってまっすぐと伸びた木々に囲まれたコテージは、まるでおとぎ話に登場するお家のよう。

室内にはフィンランドデザインの家具や家族写真が飾られていて、素朴で居心地のいい空間です。

まずはみんなで手分けをして、ランチとサウナの準備を始めました。

少し離れた小屋には薪サウナがあり、上手に薪に火をつけ、頻繁に様子を確認し、数時間後にやっと入ることができます。

ランチは、バーベキューでグリルしたソーセージやお野菜。

シンプルな材料ですが、都会から離れた自然の中でみんなでいただく手作りの食事は、格別のおいしさです。

お腹がいっぱいになったら、サウナへ。

窓からは森と海が見え、パチパチと燃える薪の音に癒され、身も心もととのいます。

サウナで身体の芯から温まったら、目の前に広がる海に飛び込んでクールダウン。

シャワーはなく、サウナで温めたお湯と水を混ぜて手桶で身体を洗います。

その不便さを楽しむと同時に、日頃の便利な生活のありがたみを感じることができました。

こうして自然の中に身を置いて、太陽の光を浴び、風にそよぐ木の葉の音と鳥のさえずりのハーモニーに耳を傾けながら空を滑る雲を眺め、ハンモックで少しお昼寝をする。

アクティビティ満載の夏休みも魅力的ですが、こんなふうに森のサマーコテージで「何もしない」をするのも、とても贅沢な休暇の過ごし方ですね。

きつね

東京出身、フィンランド在住。
ヘルシンキにあるカフェのマーケティング担当者およびフリーランスのライターとして活動するかたわら、ブログでフィンランド生活やおすすめカフェなどについて発信している。
お日さまとコーヒーと深夜ラジオがすき。

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