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お口も心も甘く満たされる、フィンランドの2月

新しい年を迎え、雪景色が太陽に照らされてキラキラと輝く時間が少しずつ増えてくると、フィンランドの甘〜い季節の始まり。

この時期にしか食べられない(※)伝統スイーツ「ルーネベリタルト」と「ラスキアイスプッラ」を、あちこちで目にするようになります。

※ルーネベリタルトは、ルーネベリの故郷ポルヴォーのカフェでは一年中提供されています。

ルーネベリタルトは、アーモンドやラム酒で味付けされ、ラズベリージャムがトッピングされた円筒型のおやつ。

フィンランドの国民的詩人J.L.ルーネベリの妻フレデリカが、甘いものに目がなかった夫のために作ったことから、この名前がつけられました。

毎年2月5日の彼の誕生日「ルーネベリの日」前後に食べられるのですが、偉人のお誕生日に、その人が好きだった甘いものを食べるとは、なんともユニークな習慣ですね。

そして、もうひとつの風物詩、ラスキアイスプッラ。

その昔、キリスト教の春の祝日であるイースター前の7週間は断食期間であったため、高カロリーなおやつを食べて断食に備えたのがこの習慣の始まりだそう(今年は2月27日がラスキアイス日曜、3月1日がラスキアイス火曜)。

カルダモンなどのスパイスが効いた、ぷっくり丸いパン生地の中に、生クリームとラズベリージャム、もしくはアーモンドペーストが入ったものが主流です。

しかし最近は、クロワッサン生地にクリームをはさんだもの、抹茶と小豆を使った和風のものなど、毎年各ベイカリーが競って新種のラスキアイスプッラを発売します。

そんな訳で、様々なお店のラスキアイスプッラ食べ比べが、この時期フィンランドの人々の心を踊らせています。

そして2月14日のバレンタインデーは、フィンランドでは「友達の日(ウスタヴァンパイヴァ)」。

世界の多くの国ではロマンチックな愛の日であるこの日、フィンランドでは恋人同士だけではなく、友人とお互いの友情に感謝し合うのです。

メッセージカードやチョコレート、チューリップなど、ちょっとしたプレゼントを贈ってお祝いする人が多く、フィンランドの郵便局にとって、クリスマスに次ぐ繁忙期。

わたしもおいしいチョコレートにメッセージを添えて、大切なお友達に贈ります。

フィンランドの人々が笑顔になるイベントが盛り沢山の、お口も心も甘く満たされる、そんなフィンランドの2月。

外は引き続き凍りつく寒さですが、春を待ちわびる気持ちがより高まる、大好きな季節です。

きつね

東京出身、フィンランド在住。
ヘルシンキにあるカフェのマーケティング担当者およびフリーランスのライターとして活動するかたわら、ブログでフィンランド生活やおすすめカフェなどについて発信している。
お日さまとコーヒーと深夜ラジオがすき。

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