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ラプアン カンクリのプロダクトをお渡しして、
実際に2週間使っていただきました。
さて、その後の暮らしぶりはいかがですか?

ツペラ ツペラツペラ ツペラ

亀山達矢さんと、中川敦子さんご夫妻によるユニットtupera tupera 。コラージュとペインティングを組み合わせた手法を用いた絵本の制作を中心に、イラストレーション、グッズデザイン、アートディレクション、舞台美術など、活動は多岐にわたります。生み出されるのはユーモラスで色彩豊かな世界。太陽が刻々と傾いてゆく、束の間の午後。家族4人で暮らすご自宅で、ユニークな制作や京都での暮らしについて伺いました。


大きな窓、ふたりのアトリエ

京都のまちを北から南へと流れる、この土地のシンボルとも言える鴨川。その上流、賀茂川を望む場所に、おふたりのアトリエ兼ご自宅があります。
2階のアトリエに上がると、まず目に飛び込んでくるのが、川に面した大きな窓です。
この窓から見える景色が、活動の拠点を東京から京都へ移し、アトリエをかまえる一番の決め手となりました。「天気の悪い日も楽しめるんですよ。これだけ窓が大きいと、雨が降っているのを見るのも結構おもしろくて」中川さんがそう切り出すと、ふたりの口から、賀茂川の景色の魅力が、溢れるように語られます。川沿いを一直線に歩くこどもたちの行列、ある朝の、ふわっと一面に積もった雪景色……。北山は天気雨が多く、虹がよくかかるといいます。
「賀茂川のほとりがね、鳥の溜まり場なんです。鴨と、鷺と、ゆりかもめも来て。鳶もいるし。観察してみようと、わざわざ良い双眼鏡を買ったんですけど、実際に覗いてみて、鳥にそれほど興味がないことがわかった(笑)。でもぼんやり眺めているのは楽しいですよ」。
観察から想像を膨らませるのが得意な亀山さん。アトリエから見える景色が、tupera tuperaの制作活動に大きく作用しているようです。


手から生みだされるもの

おふたりは2002年にユニットを組んで以来、数々の仕事に共同して取り組まれてきました。固定した役割分担はもうけず、手を動かし、話し合いながら作品を作りあげていきます。「僕はアイデア派なので、アイデア出したらもう満足するんです。そこから敦子が詰めていったり。で、また僕が参加したり」そうおっしゃるのは亀山さん。机上で交わされる何気ない会話は、大事な創作の種です。

ラジオから流れる音楽の隙間を縫うように、じっくりとハサミをうごかす音や、鉛筆が軽やかに紙の上を滑る音、手で工作をするときの耳障りのいい音が聞こえてきます。
亀山さんの手元では、あっというまに小指くらいのサイズの太陽が切り出されていきます。コラージュに使う素材はお菓子の包み紙や自分たちで紙にペインンティングを施したものなど、色も紙の質も実に様々。部屋の隅に積まれた重厚な画集や図鑑は資料ではなく、素材なんだそうです。「容赦なく、思いっきり切っちゃう」そうおっしゃるのは中川さん。こどもがいたずらをしているときのような、そんな表情で、穴だらけになった図鑑をめくります。こうしてtupera tuperaの世界は、手作業で作り上げられていきます。つかうのはハサミとのり。だれもが幼い頃から馴染みのあるシンプルな道具です。
ふたりの制作スタイルは、身体的な感覚をともないます。ハサミから手や耳に伝わる振動、仕事の途中、ふとしたときに眺める川沿いの景色。五感でとらえるたくさんのものごとが、作品につながっていくのです。


光のうつろいにあわせて

普段は窓に向かって並んで座り、朝は9時から夕方6時まで制作を続けます。「僕ら、平日の昼間が勝負ですから。夜仕事すると、次の日の朝が使い物にならない。どんどん大変な状態が連鎖しちゃうので。だからアトリエは常に6時には片付けて、ぴしっとゼロに戻す。これは僕の気質です」。集中力が必要な、どうしても時間がかかってしまう仕事だからこそ、終わりを決めて1日ごとに完結させる。このやり方が性にあっているのだと亀山さんはいいます。
tupera tuperaのものづくりに対する基本姿勢は、おもしろいと思ったことを、自分たちも楽しみながらかたちにしていくこと。ふたりがはじめて作った絵本は、『木がずらり』という、じゃばら構造で広げると不思議なかたちをした木々が次々と立ち上がる、美しくありながら、読むひとの表情が自然と緩んでいくような……そんな作品でした。読み手の感性に作用して、純粋な驚きや、おもしろさを引き出す作品の性格は、結成当時から変わりません。いまでは30冊を超える絵本づくりの背景にはいつでも、浮かび上がった発想をいちばんにおもしろがりながら手を動かす、ふたりの姿があります。
午後3時。日差しが刻々と傾きはじめました。「西日がもうそろそろ終わりだよというんです。もう仕事を仕上げる時間だよって。お店の終わりの音楽と一緒ですよね」。
窓から注ぐ光の加減から、アトリエにいると時間が過ぎていくのがよくわかります。この環境が、ふたりの仕事と生活に健やかなリズムをもたらします。


ゆるやかにつながる2つの時間

アトリエとリビングがゆるやかにつながる家。家を建てる際には、それぞれ建築の仕事をしている友人2組に設計を依頼しました。使用する素材や色は、普段の仕事でつかうコラージュの手法を用いて、具体的なイメージを固めていきました。tupera tuperaと建築家による、この家のための特別チームというわけです。
独特の色彩感覚は1階の生活空間でも発揮されています。基調にしたのはまっさらで気持ちの良い白。色をあまり使わないように心がけながらも、差し色としてつかう色彩が目を引きます。リビング、ダイニング、客間、用途ごとにちょっとした段差を設け、色と素材を変えることによって、開けた空間の中にたしかな区分けがなされています。

時折目に入る、本棚や部屋の隅に飾られた人形やオブジェ。これらは亀山さんと中川さん、そしてお子さんの作品です。お子さんがつくりたいと手をあげたら、一緒になってつくる。そんなとき、子どもだからといって決して手加減はしません。
ふと、キッチンにいたお姉ちゃんが「ね、これさっき食べたロールケーキ」と、ラプアン カンクリの黄色いキッチンタオルをくるくると丸めました。タオルの感触とクリーミーな色彩が、卵色のロールケーキを想像させたのでしょうか。自ら感覚を生かして、ものづくりをすることへの関心が、ふたりのつくり出した環境のもと、お子さんたちにもごく自然に伝わっているように感じます。
部屋の隅々に鎮座する作品たちは、家族を見守る、静かな住人のようです。


きれいな川のある暮らし

家をあとにして、賀茂川へと降りると、子どもたちがいっせいに走りだしました。亀山さんと中川さんは、会話を交わしながらのんびりとあとを追います。姿がずいぶん小さくなったと思うと、ぐんぐん風を切って、あっという間に中川さんたちのもとへ帰ってくる子どもたち。手には端っこが割れたちいさな小枝が。その小枝に、お姉ちゃんはタコさんと名前をつけました。
夏になったら、お子さんと川あそびを楽しむそう。「ラプアンカンクリのTERVAタオルはシャバッとしてるから、夏場、とてもいいですよね。かさばらないから、4枚でも持ち運べそう」と敦子さん。

2年前、引越しのためにいくつかの土地を検討するなかでこのあたりを訪れたとき、亀山さんは、親しみと心が落ち着くのを感じたといいます。「町家が並ぶような古い京都らしい街並みよりも、この辺りの抜けのある空気感が気に入って、ここだったら、と」。そして亀山さんがこの土地に惹かれる理由がもうひとつ。それは流れる水の清らかさです。「(近くの)上賀茂神社には蛍が飛ぶんですよ」。
平日の昼間はアトリエで大半の時間を過ごし、週末は亀山さんがワークショップなどのイベントで地方へ出張していることが多いため、京都のなかで遠出をする機会が少ないというおふたり。ですが、こうして時々散歩をしながら、近所の植物園や友人のカフェに足を運びます。
そんなときに、便利なのがこのバッグ。「中についている紐が、意外とよくって。ものをたくさん入れても、紐をきゅっと締めるだけで安心感があるんです」と亀山さん。敦子さんもよく使っているそうで、「買い物に行く時にはもうひとつエコバックを持参していたけれど、これだと自分の持ち物を入れた小さいバックをなかに入れ、いろいろ買ってもそのまま持って帰れるんです」とおっしゃいます。「安心感がある。かわいいですよね、柄が素敵」。

「もうちょっとするとね、夕日がものすごくきれいなんです」。そう亀山さんが予告していた通り、家に着く頃には飴色のドラマチックな光が川沿い一帯に降り注ぎはじめていました。賀茂川沿いの風景と住まう家が調和して、仕事にも、生活にもよりよい流れが生まれているのでしょう。
tupera tuperaの制作において、おふたりはそれぞれを月と太陽のアイコンであらわします。太陽が亀山さん、そして月が中川さんのシンボル。この場所に暮らしながら、自然の光を克明にとらえ、窓からの眺めに魅せられているおふたりを見ていると、まさにその通りだと感じるのです。


items

  • ESKIMO / bag

    material
    100% cotton
    size, price
    40×60cm ¥7,000
    color
    white-blueberry
    online shop
  • MAIJA / towel

    material
    39% washed linen
    43% tencel 18% cotton
    size, price
    48x70cm ¥2,800
    color
    white-bright yellow
    online shop
  • TERVA / towel

    material
    39% washed linen
    43% tencel 18% cotton
    size, price
    65x130cm ¥8,500
    color
    black-muti-petroleum
    online shop

  • TSAVO / scarf

    material
    100% linen
    size, price
    70x200cm ¥7,800
    color
    pink-cloudberry
    online shop
  • USVA / blanket

    material
    100% washed linen
    size, price
    150x260cm ¥22,000
    color
    linen-white
    online shop
  • CORONA / blanket

    material
    100% wool
    size, price
    130x170cm ¥22,000
    color
    pistachio
    turquoise
    online shop

profile

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008

ツペラ ツペラ
tupera tupera

亀山達矢と中川敦子によるユニット。絵本やイラストレーションをはじめ、工作、ワークショップ、アートディレクションなど、様々な分野で幅広く活動している。絵本『かおノート』『やさいさん』『いろいろバス』『うんこしりとり』など、著書多数。海外でも様々な国で翻訳出版されている。NHK Eテレの工作番組『ノージーのひらめき工房』のアートディレクションも担当。絵本『しろくまのパンツ』(ブロンズ新社)で第18回日本絵本賞読者賞、Prix Du Livre Jeunesse Marseille 2014 (マルセイユ 子どもの本大賞 2014 )グランプリ、『パンダ銭湯』(絵本館)で第3回街の本屋が選んだ絵本大賞グランプリ、『わくせいキャベジ動物図鑑』(アリス館)で第23回日本絵本賞大賞を受賞。2019年に第1回やなせたかし文化賞大賞を受賞。京都造形芸術大学 こども芸術学科 客員教授。

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