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ラプアン カンクリのプロダクトをお渡しして、
実際に2週間使っていただきました。
さて、その後の暮らしぶりはいかがですか?

ミモザミモザ

ある時は野花をさらりと束ねたような素朴なブーケを、またある時はハンドメイドのペーパーフラワーを使ったドラマティックな空間装飾を。クリエイションチーム「mimosa(ミモザ)」が描く世界はいつも、見る人の心を踊らせます。今年2月にラプアン カンクリ表参道で開かれたワークショップではそうした作品に触れられる楽しさに加え、おっとりとした空気を纏う彼女たちの佇まいが印象的でした。どんな風に作品と向き合っているのだろう? 素朴な疑問を胸に都内にあるmimosaのアトリエへ向かいました。


01. At their Atelier

想像の種をゆっくりと育てる
小さなアトリエ

3月初旬。駅とアトリエを結ぶ長い道は、両側に木々が覆い被さる緑のトンネルのよう。春の香りと木漏れ日に包まれながら暫く歩くと、閑静な住宅地の一角に「mimosa(ミモザ)」のアトリエが現れます。
mimosaは保坂安美さん(写真7段目左)と伊藤一実さん(現在は産休中)が2015年に発足した、空間装飾を主に手がけるクリエイションチーム。植物をモチーフにした作品が特徴で、生花でのデコレーションはもちろん、自らの手作業によるペーパーフラワーは他にないアーティーな存在感を放ち、静かな注目を集めています。

アトリエで出迎えてくれたのは、保坂さんと昨年メンバーに加わった阿部紗矢さん(写真9段目)。たおやかな二人の雰囲気はまるで姉妹のようです。
中に入ると、コンパクトな空間には道具等が機能的に収められ、季節の花が色を添えます。「殺風景でしょう?(笑)でも、ここだとスイッチが入って、作ることに没頭できるんです」と話す保坂さんは、2歳の男の子を持つ忙しいママでもあります。
「私は都内出身なのですが、自然が身近な所で育ちました。幼い頃は両親によくキャンプへ連れて行ってもらって、落ち葉を集めて何か作ったり、花の名前を教わったり、蜜を味わってみたり…。そんな記憶が今の仕事に繋がっているのかな」と続けます。

仕事を開始するルーティンは、まず作業テーブルにクロスをかけることから。これはペーパークラフトの紙切れが散らばるのを防ぐためだとか。洗濯を重ねてくったりとしたラプアン カンクリのテーブルクロスは、アトリエの空気に溶け込んでいます。
お揃いのエプロンを締めること・タオルをポッケに差し込むのも水仕事の決まり事です。「冷たい水を触った後、柔らかなリネンタオルを使うと癒されるんです(阿部さん)」。


ペーパーフラワーの工程は、モチーフとなる植物を分解して、その構造を観察することから始まります。花びらの形、色のグラデーションなど細かく理解した上で、サイズや形をデフォルメしていく。次に出来上がりのイメージパースをパソコン上で空間写真にあてはめながらバランスを確認。そして素材選び。試作は、二人で手を動かしながら幾度もブラッシュアップしていくのだと言います。驚くのは製作がすべてハンドメイドだということ。
「例えば、紙をまっすぐに切るにしても、定規は使わずにハサミで切る。すると微かな歪みが生まれて、自然さが出るというか、いいエッセンスになるんですよ」。そう話す保坂さんの手の中には、黄色いミモザのペーパーフラワーがふんわりと咲いています。フェイクなはずなのに、甘い香りが漂うような息遣いを感じるから不思議です。
ブレイクタイムは、紅茶と一緒にローザー洋菓子店のお菓子をいただきながらのんびりと。いずれもこの時間の定番なのだとか。インスピレーション源について尋ねてみると、保坂さんの答えは「絵本や画集、あとは“ジブリ”。特に『魔女の宅急便』の薬草から作る魔法の薬とかおとぎ話のような世界観が好き」と熱が入ります。一方の阿部さんは「古い映画の色彩やクラシックなムードとか。そして私も…ジブリです」と照れながら言葉を重ねました。
巨大な花束が女の子のドレスになったり、退色した美しさを醸し出すデコレーションといった、mimosaが手がける作品には確かに独特のファンタジーが溢れています。
それらは何だか、童心へ逆回転させる魔法の装置のようにも見えてくるのです。


02. Material & Texture

一人一人の日々の幸せが
ものづくりの基本

ミモザの花がふわふわと揺れて咲くこの時期。この日は朝から、東京・青山にある青山見本帖へと向かう二人。「こうして街なかを歩いても道端の草花が目に飛び込んできちゃうんです」と保坂さん。屋号のmimosaの由来も一番好きな花だから、とシンプルです。
紙の専門商社竹尾のショールームである青山見本帖は、ペーパーフラワーの素材を買う馴染みの場所ですが、今日の目的は紙を使ったグラフィックの作品展「STOCK MEMBERS GALLERY 2020」。(*現在、作品展示は終了しています)
新進気鋭のクリエイターたちが集う「PAPER STOCK MEMBERS」の一員であるmimosaの作品も展示されていると聞いて、こちらも小走りになってしまう。
会場へ近づくと、大きな窓から巨大なミモザがのぞいていました。興奮気味の私をよそに、保坂さんと阿部さんは色々な角度から作品を眺めています。
「植物を忠実に再現するのでなくて、いかに空間を装うかという視点で作っているんです。だから葉の形も本来とは違う。特に今回は、色や質感、くねくねとした全体の動きやボリューム感をポイントにしていて、下から見上げても奥行きがあるように心がけました。近づくと花の中心にビーズがキラッと光る小さなサプライズも。通り過ぎる人にも春だなあって、季節の変化を一瞬でも感じてもらえたら嬉しい(保坂さん)」。
「小さな花の塊が幾重にも重なって構成される花は、薄い6×6cmの紙を折って5個ずつ組み合わせながら切り込むと、あのふわふわした感じになるんです。計1440枚。二人きりの手作業で、1週間ちょっとかかったでしょうか」。阿部さんはさらりと説明しながら、来場者が1輪ずつ持ち帰られるよう、テイクフリーの花束を窓際へ添えました。

作品をミモザにした理由は? の問いに「3月8日は〈ミモザの日〉で、世界的にも国際女性デー。イタリアでは男性が女性にミモザを送る習慣もあるそうです。mimosaを始める時、暮らしの豊かさを一番にした新しい女性の働き方ができたらと思っていたので、当時の想いともリンクしてこの花を作ることに決めたんです。実は初挑戦なんですよ」。
華やかな仕事と相対する二人の穏やかな佇まいの謎が少しずつ解けていきます。
「今も一貫しています。カツカツと仕事をしない。ひとりひとりの人生が充実して幸せであることが一番大事なことだから。製作の楽しさや喜びと家族と食べるご飯が美味しいっていうのを両方大切にしていくと、いいものづくりができると信じているんです」
おばあちゃんになっても3人でお花屋さんをしていたいと微笑む保坂さんに、「のんびりとお茶を飲んだりしながら」と阿部さんはそっと付け足しました。

撮影協力:株式会社竹尾 青山見本帖
東京都渋谷区渋谷4-2-5 プレイス青山1F
Tel.03-3409-8931
休)土日祝


03. Collaboration with Scandinavian design

北欧デザインとのコラボレーション

ラプアン カンクリの故郷・フィンランドに、二人はどんな連想をするのでしょう。「映画『かもめ食堂』に登場した食器〈iittala〉をコレクションしていた懐かしい記憶があります。あと家の照明〈Artek〉。意識したことはなかったけれど、意外と身近で好きなものがフィンランド生まれですね(保坂さん)」。「いつか訪れたい森と湖の国。中学生の頃、父が仕事の関係でよくフィンランドへ渡航していたのですが、お土産にもらった〈マリメッコ〉のポーチは今でもお気に入りです(阿部さん)」。
そんなmimosaにとって今秋に予定されるラプアン カンクリ表参道でのインスタレーションは、まさに胸が高鳴るプロジェクト。そこでは、花のブーケを連想させる新作のリネンタオルEUKALYPTUS(エウカリュプトゥス)がフィーチャーされ、mimosaは店の空間を装飾をすることになっています。

この日は、リネンタオルをデザインした氷室友里さん(写真4段目)を交えてプロジェクトの初打ち合わせ。氷室さんは日本とフィンランドでテキスタイルデザインを学び、建築とコラボレーションをするなどコンセプチュアルなスタイルで国内外から注目されるテキスタイルデザイナーです。初対面と思いきや、スタジオで三人が顔を合わせた途端、「元気だったー!?」と笑みがこぼれました。実は氷室さんと保坂さんは美術大学受験のための予備校の同窓生で、高校2年からの友人なのだとか。「昔から互いの作品を応援し合っていて、いつか一緒に面白いことをしたいねと言ってたんです(氷室さん)」。遂にその時が訪れた! というわけです。

ラプアン カンクリのスタッフ(写真5段目左から二人目)も加わって、打ち合わせのテーブルはさらに賑やかに。氷室さんのデザインエピソードやフィンランドの自然豊かな森は、秋になると黄金色に輝くことなど話に花が咲き、終始和やかなムード。保坂さんは閃いたイメージを早速ノートへ綴ります。
「生花を使うか紙なのかまだノープランですが、氷室さんやラプアン カンクリそれぞれの世界観と調和するものでありたいし、フィンランドと日本、異なる文化を飛び越えて、自然の喜びや温かさを感じさせる空間に出来ればなと思いますね。今日みんなの手で蒔かれたアイデアの種がどんな風に育っていくのか、私たちも楽しみです」


items

  • RUUSU / bag

    material
    60% linen 40% cotton
    size, price
    40×40cm+100cm handle ¥11,000
    color
    white-grey
    online shop
  • LEMPI / scarf

    material
    100% linen (washed)
    size, price
    70×200cm ¥7,800
    color
    mélange cinnamon
    online shop
  • USVA / linen blanket

    material
    100% linen (washed)
    size, price
    150×260cm ¥22,000
    color
    linen-yellow
    online shop

  • RUUSU / pouch

    material
    60% linen 40% cotton
    size, price
    28 ×22cm ¥3,500
    color
    white-aspen green
    online shop
  • VALKOVUOKKO / towel
    EUKALYPTUS / towel

    material
    60% cotton 40% linen (washed)
    size, price
    48x70cm ¥2,700
    color
    white-aspen green,white-linen,
    white-rose,white-blueberry
  • TULPPAANI / towel

    material
    100% linen (washed)
    size, price
    46×70cm ¥2,800
    color
    white-cinnamon
    white-aspen green
    online shop

profile

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009

ミ モ ザ
mimosa

植物をモチーフに生花やペーパークラフトを使って、特別な時間を演出するクリエイションチーム。武蔵野美術大学の空間演出デザイン科の同窓生だった保坂安美さんと伊藤一実さんが卒業後、それぞれディスプレイデザインの会社に就職して経験を積み、その後独立を経て、2015年に設立する。2018年にコサージュやウェディングの冠などを作る会社でデザイナーをしていた阿部紗矢さんが加わり、現在は3人で構成。人・モノ・空間とジャンルを問わず、ディスプレイ、パーティーやウェディングの演出等多岐に活躍する。母の日のブーケやクリスマスのリースなどシーズンイベントに合わせて開催されるMUJIでのワークショップなど講座も人気。今秋、ラプアン カンクリ表参道でインスタレーションを開催予定。
(写真左:阿部紗矢さん 右:保坂安美さん)
ホームページ www.mimosa-design.com
オンラインショップ mimosa-design.stores.jp
インスタグラム @mimosa_design

Archive

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    Yuko Watanabe
  • 002高山 英樹

    Hideki Takayama
  • 003早坂 香須子

    Kazuko Hayasaka
  • 004エイヤ・コスキ

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    Annaleena Hämälainen
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  • 008ツペラ ツペラ

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