ラプアン カンクリのプロダクトをお渡しして、
実際に2週間使っていただきました。
その後の暮らしぶりはいかがですか?
Photo: Kazumasa Takeuchi(stuh)
Interview: Sumiko Ayata
素材の味を活かしたシンプルな料理だけでなく、卓越した審美眼やライフスタイルなど多方面から注目されている、料理家の渡辺有子さん。ラプアン カンクリのプロダクトと過ごすこの2週間企画は、もちろんウォッシュドリネンのキッチンクロスを用意しました。オリジナリティ溢れる使い方に注目です。
Her Atelier
新しくスタートしたアトリエに伺いました
「一方通行ではなく、さまざまな方向から料理を考えてみたい」と、料理家・渡辺有子さんがこの春オープンしたアトリエ“FOOD FOR THOUGHT”。ここは、月に5〜6回開催される少人数制の料理教室を軸に、生産者や料理家たちと作り上げる企画やイベント、暮らしまわりのアイテムを開発するなど「食」に纏わるメッセージを渡辺さん自身が発信するプラットホームでもあります。
コンテンポラリーなデザインで国際的に活躍するワンダーウォールが手がけたソリッドな空間には、テキサスから運ばれた木製のスツールや様々なジャンルのアートブック、この場所のために作られた二階堂明弘さんや額賀章夫さんが手がけた器、上質なクロスもそう、異なるカルチャーや年代で個性を放つ物たちが不思議と調和をしていて、目を凝らす程に発見があります。
「料理教室では雑誌や書籍のレシピに載らない行間の部分があって。そういうものと作る方が聞きたかったことが交換出来たりするのが楽しいです。直接、っていうのはいいものだなと思いますね」。
FOOD FOR THOUGHTという屋号は、カメラマンである旦那様が提案してくれたのだそう。そこには“考えるための糧”“より良く生きるためのヒント”など、少し哲学的な意味を含み、FOODが何かを選ぶときのヒントやきっかけになってくれたらという願いが込められています。
「私自身も、ここが第一歩という気持ち。FOOD FOR THOUGHTでの出会いや気づきが次の違ったステップへ繋がっていくような気がしています。明確な目標はないのですが、何となくそんな予感がするんです」。
02. Object of Inspiration
無意識の時間が、自分を磨いてくれる
アトリエからご自宅まではゆっくり歩いて10分位。頭の中が整理されたり、季節の変化に気づけたりとオンとオフの切り替えにちょうどいい距離なのだとか。一方、仕事での移動は愛車で(ABARTHは、珍しい開発時のオリジナルカラーがお気に入り)。「ラプアン カンクリのポケットショールは、一枚座席にあるといいですね。コートと違って車内でも脱ぎ着がラク」。
型に捕われず、自分なりの価値を見出すセンスは丁寧に送る日々の賜物です。例えば、ご自宅にある旦那様のお爺様から譲り受けたという古い椅子や棚。壊れていた部分を修理したり、磨いたりしながら今も現役で使われる光景は印象的です。新しいものにも興味津々。初体験という麻のバスタオルを使った感想を伺うと「想像以上に水を吸ってびっくり。お皿になった気分でした(笑)」。
03. Object of Inspiration
才色兼備なキッチンクロスは、素材を吟味
モダンなアトリエから一転。元は外国人向けのヴィンテージマンションというご自宅のキッチンにお邪魔しました。家族の暮らしを感じさせる温かみある空間。オーブンやランドリーなど備え付けの什器がすっきりと収まり、ゆったりと使いやすそう。使い込まれたキッチンツールに混じって、さも美味しそうなパッケージの珈琲や籠に収まった調味料など気になるものをいろいろと発見。尋ねると必ず好きなポイントや使っている理由が一つ一つの明快で、それはこだわりというより心地よさのベースになっているように思えます。
ひとたび渡辺さんが料理を始めると、あちこちにラプアン カンクリのキッチンクロスがあるのに気づきます。それらは一枚一枚に役目が与えられていました。「毛羽立ちにくい麻のクロスはお皿やガラスコップを拭くのにいいし、ちょっと目の粗いコットンリネンは野菜の水切りとか、パンケーキを包んでおくのに蒸気がこもらないのも嬉しい。このままハイキングへ、とかも素敵ですよね」。キッチンクロスだけでなく、道具一つ一つの特性や素材の特徴を知って、きちんと使いきること、それも渡辺さんの美学の一つです。
テーブルのクロス使いが、穏やかな時間を生む
楽しいおしゃべりも束の間。いつしかテーブルにはクロスが掛かり、渡辺さんの手で優しくシワが伸ばされていきます。一枚の布がたちまち“ちょっと特別”な気分にしてくれるから不思議です。
「温かいうちに食べましょう」と、テーブルに並べられた料理に思わず歓声!無花果のサラダ、白インゲン豆のスープ(野菜もたっぷり!)、パンケーキにはビネガー入りのジャムを添えていただきます。キッチンクロスに包まれていたせいか、まだほんのりと温かく、しっとり。たくさんの野菜が入ったスープは、シンプルな味付けが体に染み渡るような美味しさです。「秋はやっぱり根菜類。新豆も今が旬ですよね、水分を含んで皮が柔らかいの」。今や、スーパーにいけば手に入らない野菜はなく、旬か否かなど気に留めない人も多いのが現状です。「だからこそ料理教室では、月代わりにその時期に一番美味しい食材をテーマにして『今はこれが旬で、こんな味がするんだよ』と伝えたいんです」。
「食は大事。食べる物で、体調だけでなくその日のムードも変わりますよね。いい加減にしちゃうと澱が溜まっていく感じがしませんか?簡単な物でいい、パワーを秘めた旬の食材を使って料理が出来れば十分です」。
料理に舌鼓を打ちながら、ふと、ナプキンや鍋敷き代わりなど、テーブルクロス以外にも、さりげなくクロスがあしらわれているのに気づく。「ちょっとしたことで料理の味わいも変わってくる気がするんですよね。いいなと感じた記憶は小さなことでも蓄積されていくものだと思うから、どんな気持ちで食べるかも大切にしたい。せっかくならもっと美味しく、もっと楽しく」。
items
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MARIA / kitchen towel
- material
- 100% linen
- size, price
- 48×70cm ¥2,400
- color
- white-blue
-
USVA / napkin
- material
- 100% washed linen
- size, price
- 47×47cm ¥2,300
- color
- turquoise
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USVA / napkin
- material
- 100% washed linen
- size, price
- 47×47cm ¥2,300
- color
- turquoise
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profile

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001
渡辺有子Yuko Watanabe
FOOD FOR THOUGHT(http://520fft.tumblr.com)